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光学系固定方式メカニズムのスタビライザーについて

光学系固定方式メカニズムを採用している機種の大部分には、CDを上から押さえるためのスタビライザーが付属しています。
このスタビライザーは、機種により多少異なります。ここでは、それら各モデルのスタビライザーを比較してみます。

■スタビライザーが付属している機種一覧

まずスタビライザーが付属している機種を挙げてみます。これは光学系固定方式メカ採用の機種を列挙することとほぼ同一なのですが、ESシリーズでない機種まで視野に入れると、実は等価ではないことがわかります。

光学系固定方式メカニズムを採用し、スタビライザーが付属している機種 CDP-XA7ES
CDP-XA5ES
CDP-XA50ES
CDP-XA30ES
CDP-XA55ES

CDP-X5000
CDP-MS1

CDP-X3000
CDP-XB920

SCD-1
SCD-777ES
光学系固定方式メカニズムを採用しているが、スタビライザーが無い(内蔵されている)機種 CDP-XE900
CDP-XE700

CDP-5000S
CDP-R10

■各種スタビライザー

CDP-XA7ESに付属のスタビライザーです。真鍮削り出しで、外観からは1ピース構成のように見えます(内部や裏側まで完全に1ピースかどうかは未確認です)。このようなスタビライザーは、意外と精密に作られています。特にセンターの穴は重心を貫くよう、大変な注意が払って製作されているはずです。そうでないと回転時に不要振動の発生源になってしまいます。
このスタビライザーの表面は深い銅色をしており、"SONY"と"CDP-XA7ES"の文字が印刷されています。1ピース構成で高級感があるのですが、水平の「つば」の部分と中心の柱が滑らかにつながっているためにあまり持ちやすくありません。不用意に持ち上げて落とした経験のある方も多いのではないでしょうか。

CDP-XA7ES付属のスタビライザーの裏面。
CDと接触する面には、全面にフェルトが敷かれています。

CDP-XA50ESに付属のスタビライザーです。こちらは水平部分と柱の部分を別に作り、後で接合した跡が見えるので少なくとも2ピース以上の構成になっているようです。水平部分は完全に平面で、最外周はCDP-XA7ESのスタビライザーよりも厚くなっています。このため、CDP-XA7ESのスタビライザーとは慣性モーメントに差が出ます。文字の印刷はありません。
色はCDP-XA7ESのスタビライザーとほとんど同じですが、こちらの方が持ちやすいです。

CDP-XA50ES付属のスタビライザーの裏面。
CDと接触する面には、やはり中央の穴を除いて全面にフェルトが敷かれています。

CDP-X5000の専用オプションのSTB-A5000です。標準価格で7,000円。
箱には特徴として、「ディスク接触面を改良して微小音量レベルの表現性が向上。またクロムメッキにより表面硬度を向上させ、低音域の表現力を向上。」とあります。

形状はCDP-XA7ESのスタビライザーと同じですが、クロムメッキで銀色に輝いているために印象がかなり違います。
ちなみにカタログでのSTB-A5000の説明には、「素材の黄銅にクロムメッキ処理を施し、ディスク接触面をフッ素樹脂シート加工しました。低域の質感、安定感、解像度が向上します。大音量時でも音の崩れが少なく全体的にグレードアップ感が味わえます。」と書かれています。

STB-A5000の特徴は、裏面が全面フッ素樹脂シートになっているため、非常に滑りやすいことです。再生開始時や停止時、ランダムアクセス時など、ディスクが急加速・急減速する時には、CDと回転数が一致していない、つまりCDと動摩擦状態で接触しつつ回転している可能性があります。
このスタビライザーはCDP-XA7ESにも使用可能で、フェルト貼りの付属スタビライザーとはCDとの間の摩擦に差が出るという点で、何らかの違いが出てくる可能性はあります。

CDP-X5000の専用オプションのSTB-B5000です。標準価格で4,000円。箱には特徴として、「樹脂素材を使い、響きが柔らかく、特に女性ボーカルに向く。」とあります。

STB-B5000は中央の柱が大きく、ESシリーズの光学系固定方式メカニズムには使用できません。
カタログには、「素材に、樹脂含有強化無機材コーリアンを使用。材質的に適度な剛性と響きのバランスが絶妙。とくに女声ボーカルをやさしく艶やかに表現します。アナログレコードを彷彿とさせるやわらかな音色です。」と書かれています。
なんとも文学的な表現ですが、読み取り信号の変化、スレッドサーボやピックアップのレンズを動かすサーボ電流に変化が現れ、その影響が輻射やグランドラインを通してアナログ系にも伝わるということでしょう。スタビライザーの慣性モーメントやCDとの間の摩擦の違いにより、スタビライザーごとに振動モードが異なっていることは理論的には間違いないのですが、その物理的変化がどのような経路(おそらく一つではなく、複数の経路が絡み合っているのでしょう。)を伝わり、最終的に人の耳に入る音楽信号にどのような変化をもたらすのかは、なかなか解明が難しいところではあります。
CLVに従って滑らかに回転数が変化している通常再生時ではなく、大音量再生時で音圧によりメカが振動している状態であるとか、外部から振動が加わった時のような、非定常時の挙動の変化は現れやすいかもしれません。

裏面は削り出しのままです。削り出しの際に出来た同心円上のわずかな凹凸があるだけで、フェルト貼りなどの加工はされていません。

SCD-1に付属のスタビライザーです。ESシリーズのものとは異なり、帽子で言えば「つば」の部分がありません。小さく、ずっしりとした質感があります。持つ部分は十分あり、落としにくい形状です。

見えにくいですが、裏は黒い素材が貼られています。CDP-XA7ES,CDP-XA50ESのスタビライザーにはフェルトが使われていますが、こちらはフェルトというより、バックスキンに近い素材です。

CDP-XA50ESのスタビライザーとの比較です。SCD-1のスタビライザーは「つば」に相当する部分が無いので小さくみえますが、中心部分の直径は大きいです。そのため、光学系固定方式のXAシリーズ等には使えません。故障の原因になるので要注意です。

スタビライザーその2


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