ここではSTAX(スタックス)のイヤースピーカーを紹介したいと思います。
STAXは非常に小さな日本のオーディオメーカーですが、素晴らしい企業姿勢を持った非常に誠実なメーカーです。私自身、何度かメンテナンスでSTAXと直接やりとりをしましたが、非常に丁寧でユーザーサイドに立ったアフターサービスをしてくれます。他のユーザーも同じような感想を述べていますから、決して私のケースだけがたまたま良かったということは無いです。通常、修理というとまず何もしなくても技術料1万円があり、部品も非常に割高なケースがほとんどです。しかしSTAXはリーズナブルな価格でメンテナンス・修理をしてくれます。むしろ安すぎると言っていいくらいです。部品についても「法定最低保有期間の○年までは保管するが、期間が過ぎたらその後は修理拒否」というものではなく、部品がある限り対応してくれます。また、無駄なモデルチェンジをしません。古いイヤースピーカーでも現行品のイヤーパッドが使えます。ベーシックのイヤースピーカーにシグネチャ−のイヤーパッドが使えますし、その逆も可能です。グレードの差別化をするために意図的に部品に互換性を無くしたりすることもありません。
このような誠実な姿勢は買い替え需要を喚起しないため、売上としては苦しいかもしれません。実際、株式会社だったSTAXは一度つぶれ、現在は有限会社として再スタートしています。株式会社時代はT2のような超弩級アンプや大型スピーカー、DAC、CDプレーヤーなど各種の製品を作っていました。株式会社時代と比べると、現在の製品ラインナップは非常に堅実なものとなっています。確かにT2のようなアンプを再び見てみたいものですが、それよりも無理をせず堅実な製品ラインナップで末永く継続していって欲しいと思います。

これがイヤースピーカーSR-007です。SR-007についてはすでに多くの方が詳細を述べていますから私から書けるネタはない感じです。とにかく素晴らしいヘッドホンです。
余談ですが近頃流行している耳の奥深くに挿入するタイプは、あまり耳には良くありません。常に耳の中に何か入っていて刺激されている状態になるため、音量を上げても痛みを感じにくいのです。大音量で耳の痛みを感じるというのは生体の防衛反応なのです。一般的に音を大きくすると細かい音まで聞こえるようになるため、それがこの種のヘッドホンの音が良いと言われる所以ではないかと思っています。また、ヘッドホンをしたまま歩くと密閉度が高いヘッドホンほど大きな振動が耳に伝わるのですが、これも次第に慣れてきてしまいます。耳の奥深くに挿入するタイプのヘッドホンは、ヘッドホン難聴にならないよう、自己責任で音量には注意すべきです。
STAXでも小型のイヤースピーカーを出していますが、SR-001mk2はオープンエアで耳の奥深くに挿入するタイプではないので普通の小型ヘッドホンと同様、安全な方だと思います。

イヤースピーカーの駆動には専用のドライバ(アンプ)が必要になります。雑誌等のSTAXの紹介記事では「専用アンプが必要」であることを必ず欠点として挙げていますが、これは欠点ではないと思います。もし仮にCDプレーヤーのヘッドホン端子を使うイヤースピーカーがあったとしても、内蔵ヘッドホンアンプの出来に大きく左右され、実力を発揮できるケースが限られてしまうでしょう。SACD/CDプレーヤーのライン出力をダイレクトにドライバに接続することにより、セレクタを通さないピュアな信号をイヤースピーカーに伝えることができます。
写真は私のSTAX用再生環境です。左がオール半導体式ドライバのSRM-717で、右は初段に半導体、出力段に真空管を使ったSRM-007tです。どちらも非常にクオリティの高いアンプで甲乙つけがたいものがあります。そのため、最終的には私と同様写真のように併用している方が非常に多いようです。
ドライバの下はソニーのRシリーズのDAコンバーターDAS-R10です。DAS-R10は通常のアンプには接続せず、上の二つのSTAXのドライバ専用として使用しています。
以上STAXの紹介というより宣伝になっているかもしれませんが、ボランティアで宣伝をしたくなるくらい素晴らしいメーカーなのです。
一点注意が必要なことは、オープンエアのコンデンサ型ということで通常のダイナミック型ヘッドホンのように放り投げたりする乱雑な扱いには弱いということです。ユーザーが増えてくるとこの手の乱暴な取り扱いによるクレームも増えてきて、STAXがその対応に追われるとなると、皆にとって不幸です。単にユーザーが増えれば良いという拡張主義を捨てるべきかもしれません。いずれにしても、良さを知っている多くのSTAXファンの方々と共に支えていきたいですね。
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