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CDP-X3000

■代表写真

■主な仕様

型名 CDP-X3000
周波数特性 2Hz〜20kHz ±0.3dB
全高調波ひずみ率(EIAJ) 0.002%以下(EIAJ)
信号対雑音比(S/N) 記載なし
ダイナミックレンジ(EIAJ) 100dB以上(EIAJ)
チャンネルセパレーション -
出力端子 下の表を参照
大きさ 280×90×400mm(幅/高さ/奥行き)
重量 約6.0kg
消費電力 15W
リモコン RM-X3000


■出力端子

  端子形状 最大出力レベル 負荷インピーダンス
LINE OUT
(FIXED)
ピンジャック 2V(50kΩ) 10kΩ以上
DIGITAL OUT
COAXIAL
同軸コネクター 0.5Vp-p(75Ω) 75Ω
DIGITAL OUT
OPTICAL
光出力コネクター -18dBm 発光波長
660nm

 *DIGITAL OUTはON/OFFスイッチ付き(光、同軸同時にON/OFF)  *ACケーブルは取り外し不可


■使用デバイス

型名 CDP-X3000
電源トランス Rコアトランス×1
メカデッキ トップローディング方式光学系固定方式メカニズム
光ピックアップKSS-213B
BSLモーターではない
サーボ・信号処理系 CXD2545Q(IC105)
光学系デジタルサーボ、EFM、エラー訂正、RAM内蔵
デジタルフィルター CXD8595Q
可変(V.C.)デジタルフィルター
シャープロールオフ型のスタンダードポジションと、3種類のスローロールオフ型フィルターの計4ポジション
DAC CXD2562Q
前モデルではアドバンスト・パルスD/Aコンバーターとして使われていたデバイスであるが、これをパルス生成器として使用。
CXA8042AS(IC401,IC501)
カレントパルスDAC。L,R別に2チップ搭載。
出力段 DCサーボラインアンプは非搭載。
ヘッドホン出力 なし


■可変デジタルフィルターの種類

ポジション 遮断特性 タイプ/方式
STD. スタンダード シャープ・ロールオフ 従来型デジタルフィルター/フル・フィードフォワード方式(カスケード型)
1. スプライン スロー・ロールオフ 3次スプライン関数/フル・フィードフォワード方式(カスケード型)
2. プレーン スロー・ロールオフ 再量子化ノイズレス/ダイレクト8倍方式
3. アナログタイプ スロー・ロールオフ 7次バタワース/ダイレクト8倍方式


■特筆すべき仕様

・トップローディング方式光学系固定方式メカニズム
・ハイプレシジョンデジタルサーボ
・可変(V.C.)デジタルフィルター
・カレントパルスD/Aコンバーターシステム
・コンプリメンタリーPLM
・ファインドライブ
・複合素材FB(フレーム/ビーム)モノボックスシャーシ
・アルミフロントパネル
・偏心インシュレーター
・Rコアトランス
・ON/OFFスイッチ付き2系統(光・同軸)デジタル出力


■詳細写真 part 1 外装

CDP-X3000の内部構造はこちらのpart2

電源スイッチは丸型でCDP-X5000に似ている。CDP-X5000と異なるのは、電源ON時にグリーンに光るLEDが装備されている点である。このランプのおかげで、ディスプレイをOFFにしていても電源が入っているかどうかを判別できる。
SONYロゴは彫り込みになっており、高級感がある。
フロントパネルはアルミ製。フロント面に電源スイッチ以外のボタンは無く、シンプルな仕上げになっている。アルミの厚さは5mm。アルミの厚みからくる高級感は特にディスプレイ部分の掘り下げ部分に現れるが、ここはCDP-X5000の方が深い。
20曲表示のカレンダーも健在。
型名表示の位置は#5000,#3000シリーズで統一されており、写真のようにフロントパネルがトップパネルと接合する部分にある。
"COMPACT DISC PLAYER CDP-X3000"と書かれている。
サイドから見たフロントパネル。総厚み10mmであるが、そのうちアルミは5mmである。写真のように、5mmの「上げ底」をアルミのフロントパネルで覆う構造になっている。
サイドパネルを構成しているビームはスチール製と思われる。
トップパネル上の再生、一時停止、停止ボタン。形状は四角で、丸型のCDP-X5000と異なる。
トップパネルには他に4種の操作ボタンがある。
ピックアップ部分は、CDP-X5000のものと異なる。CDP-XA7ES,CDP-XA55ES系ではなく、CDP-XA30ES系。
別の角度から撮影した光学系固定方式メカニズム。スピンドル軸の先端にはマグネットが取り付けられている。
CDリッドには突起があり、センサーで開閉を認識している。CDリッドをスライドさせると、CDを装着・取り外ししやすいよう、スピンドル軸が中央位置に戻るようになっている。
CDP-X3000付属のチャッキングプーリー。CDP-XA30ESのものとも異なり、スピンドル軸が通る穴は貫通していない。サイドには少しへこみがあり、持ちやすくなっている。ところで、この部品はカタログではスタビライザーではなく、「チャッキングプーリー」と書かれている。この二つの言葉の定義が不明だが、CDP-X3000にはスピンドル軸側に強力なマグネットがあり、この部品は自重よりもむしろマグネットによる磁力でCDを固定している。この違いが言葉に現れているのだろうか。
チャッキングプーリーの裏面は何も貼り付けられていない。加工時のヘアラインが同心円状に見えるだけである。
アナログ出力はこの1系統のみ。可変出力はない。
デジタルアウトは同軸と光の2系統。ON,OFFは2系統同時に行う。
ACケーブルは交換不能。
底面の写真。インシュレーターは小型であるが、偏心インシュレーターが採用されている。

■解説

CDP-X3000はCDP-X5000の弟機に当たります。標準価格がCDP-X5000のちょうど半分の6万円ということで、随所にコストダウンの跡が散見されますが、トップローディング光学系固定方式メカニズム搭載機としてのエッセンスを感じることは十分に出来ます。

メカは同時期に発売されたCDP-XA30ESのものに酷似しています。電気系はCDP-X5000より後に発売されただけあり、より新しいデバイスが採用されています。その代表が可変(V.C.)デジタルフィルターで、これまでのシャープロールオフ型デジタルフィルターをスタンダードポジションとし、その他に選択可能な3種類のスローロールオフ型フィルターを搭載しています。

このスローロールオフ型フィルターは実は大変ユニークなフィルター特性をもっています。いわゆる従来のスローロールオフ型フィルターが、専用LSIではなく汎用DSPを用いたり、演算能力に余裕が無いのにカスケード8倍型ではなく無理にダイレクト8倍型を採用したため、結果として十分な遮断特性が得られなかった(だから本来遮断するべき高周波ノイズが残ってしまった)という一面もあったことが多かったのに対し、可変デジタルフィルターはそれらとは一線を画しています。

実際、「ただのスローロールオフ型フィルター」を構成するのは簡単です。LSIの規模が小さくて演算能力の低い、つまり、FIRのタップ数が少ないフィルターにすれば、遮断特性は緩やかなものになります。その代わり、20kHzよりもはるかに低い、本来遮断してはならない可聴帯域内(たとえば数kHzくらい)からだらだらと出力が低下していきます。これでは20kHz以上の帯域うんぬん以前に、20kHz以下の情報を忠実に再現することさえ出来ません。

可変デジタルフィルターのスローロールオフ型フィルターが「ただのスローロールオフ型フィルター」ではないのは、デバイスの持つ高い演算能力を生かしてスローロールオフ型フィルターを構成している点です。つまり、20kHz以下の通過帯域の出力低下をできるだけ抑え、タップ長を長くして通過帯域のカットオフ周波数付近のリップルを抑えつつも、遮断特性を緩やかにして阻止域エッジ周波数を高くする、というような独特のフィルタ特性を得ることができているのです。これは演算能力の高いICが無ければ実現出来ません。
このような可変デジタルフィルターの特徴が広く知られることなく、生産完了になってしまったのは残念に思います。ただ、その独創的なメカとデザインにより、まだまだ中古では人気があるようです。

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