CDP-777ESA

■代表写真

 

■主な仕様(取扱説明書より)

型名 CDP-777ESA
周波数特性 2Hz〜20kHz±0.3dB
全高調波ひずみ率 0.0015%以下(EIAJ)
信号対雑音比(S/N) 118dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
チャンネルセパレーション 110dB以上(EIAJ)
出力端子 下の表を参照
大きさ 470×125×375mm(幅/高さ/奥行き)
重量 16.5kg
消費電力 27W
リモコン RM-D998

■出力端子

  端子形状 最大出力レベル 負荷インピーダンス
LINE OUT
(FIXED)
ピンジャック 2V(50kΩ) 10kΩ以上
LINE OUT
(VARIABLE)
ピンジャック 2V(可変最大)(50kΩ) 50kΩ以上
LINE OUT
(BALANCED)
XLR-3-32タイプ 2V(50kΩ) 10kΩ以上
DIGITAL OUT ピンジャック 0.5Vp-p(75Ω) 75Ω
DIGITAL OUT -18dBm 発光波長
660nm
HEAD PHONES ステレオ標準ジャック 100mW(可変最大) 32Ω

*バランスアウトはON/OFFスイッチつき

■使用デバイス

型名 CDP-777ESA
電源トランス ツインコアトランス
メカデッキ 光ピックアップ KSS-272A
サーボ・信号処理系 BA6297FP(IC201)
BA6297FP(IC141)
(補足)写真の個体には、IC141が載った小基板が追加されている。
M37451M8-161FP(IC301)
CXD2500(信号処理)
PC817(PH603:SHARP製フォトカプラ)
デジタルフィルタ CXD2560M(IC601:デジタルフィルタ)
DAC CXD2562Q(IC401,IC501)
アドバンスト・パルスD/Aコンバータ
LR独立に2chip使用で、片ch当たり8DAC出力を合成している。
出力段 NE5532P(IC402,IC403,IC404,IC405,IC502,IC503,IC504,IC505:TI製オペアンプ、バッファ・GIC形LPFに使用)
OPA27GP(IC406,IC506:BB製オペアンプ、DCサーボ用)
ヘッドホン出力 調査中

■特徴・仕様

・ダイナミックレンジ131dBを実現したアドバンスド・パルスD/Aコンバータ
・45bitノイズシェイピングデジタルフィルター
・ダイレクトデジタルシンク
・サーボ量をディスクごとに調整するハイプレシジョン・デジタルサーボ
・ファインドライブ
・Gベースユニット
・サファイヤ軸受けBSLモータ
・アコースティック・シールド
・ステイブルロック機構
・銅メッキFBシャーシ・アルミトッププレート
・ファインセラミック・インシュレータ ・GIC形ローパスフィルタ
・FET入力+FETドライブ・ラインアンプ+DCサーボラインアンプ

■内部写真

トッププレートを外してリアパネル側から撮影した全体写真。中央にメカデッキ、その後ろはアナログ系の電源、右側リアパネル側にツインコアトランス、その前にデジタル系・ディスプレイ系の電源という構成。メカを中央に配置して、なおかつトランスをアナログ回路から最も遠ざけたこの合理的な構成は、CDプレーヤとして完成の域に達しており、この後のモデルにも引き継がれている。
フロントパネルの背後にはボタンやディスプレイコントローラが載った基板があり、剥き出しになっている場合が多いが、この777ESAでは銅メッキシャーシでシールドされていることがわかる。
テクノロジーはある種の芸術でもあり、エンジニアが直感的に美しいと感じる回路構成は、性能も高い場合が多い。777ESAの内部構成は、その典型ではないだろうか。

背面の写真。シャーシは銅メッキされ、ツインコアトランスの下にも銅メッキされたベースがあることがわかる。ツインコアトランスからの配線は非常に太い。デジタル基板はメカの下にある。上面からはアナログ基板は1枚しか見えないが、実は2枚あることがわかる。上側がDACとアンバランス出力用のアナログ回路が載った基板で、下側がバランス出力用の回路が載った基板である。このバランス出力用の専用基板を搭載している所が、555ESAとの最大の違いである。

アナログ系の電源回路基板。シールド板が十字形にあり、この基板も大変美しい。黒く、一番大きい電解コンデンサは、ELNA for Audio 4700マイクロF/63Vである。シールド板をはさんでその下の茶色の電解コンデンサは、日本ケミカル製1200マイクロF/63Vで、Audio用と書かれている。赤と青の出力ケーブルは束ねられ、ねじられ、さらに振動しないよう締め付けられている。

こちらは、デジタル系と表示系の電源基板である。一番大きい黒の電解コンデンサは、ELNA for Audio 12000マイクロF/16Vである。

トレイを出した状態のメカ。このように、トレイオープン時はメカが斜めに下に落ち込んでいて、トレイが閉じられるとメカが水平に戻り、同時にディスクを下から押し上げて固定する。このとき、ディスクを上側から押さえるチャッキング機構(写真の黒い橋の部分)は動かない。
Gベースユニットは、カッパータイトベースに乗っている。トレイを両側から固定するステイブルロック機構も見える。このステイブルロック機構は777ESJでさらに改良され、左右のロックアームがビームで結ばれるようになる。

メカ部分を上から撮影したもの。ピックアップはリニアモータで駆動される。ピックアップはKSS-272A。

トレイが入るとこのようにステイブルロックが働いて、トレイを固定する。アキュフェーズ製のCDプレーヤの中にも同様の機構を備えたものがあるが、それはソニー製のメカを使用しているからである。

出力段付近のアナログ回路。太い電源線が目立つ。777ESAのアンバランス出力用のアナログ回路は、FETドライブ・ラインアンプ&DCサーボアンプである。パッシブ素子が信号経路に直列に入らないGIC形ローパスフィルタはNE5532Pで構成されている。DCサーボにはOPA27GPが使われている。

アドバンスド・パルスD/Aコンバータの周辺。アドバンスド・パルスD/AコンバータCXD2562Qは、互いに補数関係にあるPLM2波出力とその正・逆対称関係にあるPLM2波出力の計4D/A出力を片ch分として、2チャンネル分の計8D/A出力を1chipに搭載している。そのため、本来は1chipでL・Rch分の差動出力を得られるのであるが、777ESAはCXD2562Qを2chip使用している。つまり、8DAC出力を1chに割り当てていることになるが、複数のDAC出力をLSIの外で合成した数としては、777ESJと共に歴代CDPで最高である。
1chip中の8DACのうち、4DACを1サンプル・ディレイした信号に割り当てて合成することでLPFの効果を得ている。これにより、ノイズシェイピングによって増大したノイズを低減している。また、L,R独立にchipを割り当てているため、チャンネル分離特性がより高くなっている。

ちなみに後のカレントパルスDAC CXA8042Sでも、片chあたりのDAC合成数は4である。

DACは基板の裏にあるため、表からはシルク印刷が見えるだけである。DACのまわりには100マイクロF/50Vの黒い電解コンデンサが5個並んでいるが、中央の一つには銅箔が貼り付けられている。さらに上方、写真で半分だけ見える電解コンデンサの容量は、1200マイクロF/63Vである。写真下端にPH603とシルク印刷がされているが、このデバイスはシャープ製PC817で、デジタル処理部分とDACとの間の信号の受け渡しを行っているフォトカプラと思われる。
写真では見えないが、デジタルフィルタはCXD2560Mである。

メカ下部にあるデジタル回路基板。デジタルミニマム基板構成と呼ばれているものである。写真で見えるLSIは、M37451M8-161FPとBA6297FPくらいしかないが、RF信号処理、メカのコントロール、デジタルフィルタよりも前段のデジタル信号処理はこの基板に集約されている。

この個体では、BA6297FPが載った小基板が追加されていた。改修されたのであろうか。

アナログ回路用の電源基板を裏から撮影したもの。この基板もパターンが対称形で美しい。

バランス出力用アナログ基板。777ESAは555ESAよりも約10万円も高いが、この基板の存在と、各パーツのグレードを考えると、その価格差には納得できると思う。

可変ライン出力とヘッドホンの音量を調節するボリュームはALPS製。27型2連で、ミニデテントと呼ばれているものである。

アナログ出力は、3系統あり、バランス出力はスイッチでON/OFFできる。アンバランス出力端子はリアパネルと絶縁された高級タイプが使われている。

デジタル出力は光と同軸の2系統で、フロントパネルでON/OFFできる。デジタル系とアナログ系は排他ではなく、デジタル出力をONにしても、アナログ端子から出力される。

■解説

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